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執筆者の写真OTS LAB

No7 マーチン45と41倍音の違い

マーチンの構造倍音に関する考察


マーチンの45シリーズが最高峰のギターと考える人は少なくありません。


しかし,ある音楽ジャンルの人にとっては扱いにくい面があるともいいます。

倍音が豊かな楽器が良いはずなのに,ジャンルにより評価に違いが生じるのはなぜでしょうか?


ポイントは低音にあると言われます。


倍音はリバーブの効果にも似ています。それで,ソロギターの場合には倍音が豊富な方が圧倒的に良い演奏に聴こえます。


ところが,カントリーなどの早いストロークを多用し,他の楽器の出る音に生音で合わせるとなるとこの低音に倍音が豊かというのがリバーブが深い音のように聴こえて扱いにくいという場合もあるのです。


それで,D-28,D-18などの構造倍音がない,すっきりした低音の方が自分の音楽表現に合っているという人もいます。

リバーブの調整方法を例にするとわかりやすいのですが,一般にカントリーの早いテンポの曲を弾く時はリバーブを深くしません。バラード曲を弾く時は逆にリバーブを深くします。


この原理と似ていて,高音の倍音が欲しいけど,低音には深い倍音があまりなくても良いという場合にはD-41という選択肢があるのです。

この写真はJ-40というモデルでトップにアバロンのパーフリングがないので価格はD41よりも安いのですが,サウンド的には同じ種類の倍音を持っています。


もちろん構造的に倍音が発生していますので,高音に倍音が感じられます。もちろん低音にも倍音があるのですが,45ほど強くないので,ある音楽ジャンルでは41が良いという場合もあるのです。


45の場合はソロか小編成のアンサンブルが最高に合います。またレコーディングでは圧倒的に良い音になります。でもバンドのライブとなると同時に出る音が多くなり,細かな音までは聞こえない可能性もあります。


そういう時に41が良い場合もあると思います。実は41がマルチに使えて45の方が音楽を選ぶという可能性もあります。


このようにマーチン社は40番台の中にいくつか倍音のキャラクターを作りそれをユーザーが自分の音楽表現に最も適したものを選べるように選択肢を提供しているように思われます。



ギターの倍音にここまでの理解と思想を持ったメーカーはマーチン社以外には見当たらないと思われます。


マーチンギターは様々なボディサイズと倍音の組み合わせ,さらには素材や弦長の組み合わせがあるので,多くの人がそうであるように次々とマーチン・ギターが増えて行く傾向があります。


横ロゴにもラミネートから,トップ単板,テノン・ネックジョイントやエレアコもあります。

さらに素材の違いや限定モデルがあります。マーチン社の音の秘密を全て理解するにはかなりの時間と努力が必要になります。


結論として,マーチン縦ロゴに41,42,45と倍音の種類がある事で,音のランクが生じ,これが豊富なラインナップの基礎になっていると言えます。


多くのギター・メーカーは素材の違いや外観上の違いでランクを作り,マーチンのようにシトカとインディアンを使い構造の違いで音を変え,ギターのランクを作るというメーカーは他に見当たりません。

そのようなわけで,もしマーチン社の縦ロゴの中に深い世界があるとも言えます。

ぜひ縦ロゴの倍音の違いを皆様も体験してみてください。


ついにAyersもOTS 2.0とOTS 3.0が製造できるようになりました。まずはOTS 2.0を一度体験してみてくださいませ。SJのカッタウェイボディに倍音が豊かに感じられます。


音は3Dに広がり,演奏がやめられなくなります。この音に慣れると皆様もきっとギターの音色の感じ方が変わるかもしれません。 OTS 2.0 搭載のギターは全国島村楽器店ほかAyersギター取り扱い店にてお尋ねくださいませ。






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